詩の暗記
物覚えが悪くて大苦戦
詩であるからには
大体の概要じゃなくて
一字一句のフレーズが命なのだから
大詩人の作った詩歌に
自分の言葉がまぎれ込む
排除しては言い直すの繰り返しは
気が狂ったかと思うのかも
同じことを言うために
なぜ作者はその言葉その形容詞その接続詞を選んだのだろう
そんなことに思いを巡らすうちに
いつの間にか暗記は暗誦へと進化
やっと頭に入れば入ったで今度はつかみきれない詩の意味を つかまえようともがく
寝ていようが 仕事中であろうが
詩の暗誦に没頭すれば
その詩の小世界のことが世界のすべて
人はふたつのことを同時には考えられない
一切のくだらんことも考えないで済む